困っている外人に救いの手を、、、。

【主な登場人物】
管理人kr(kr:当サイトの管理人)/ Jちゃん(Jちゃん:友人、いつも助けてくれるお姉さん)/ ツッコミさん(ツッコミさん:謎の鳥)


11月某日のお昼、私はJちゃんと待ち合わせをしていた。
地下鉄の某駅に着き、ふと構内にある自動販売機に視線がいった。

管理人kr(そう云えば、プリペイド携帯電話の 残金がもう少なかったな〜。丁度いいからここで買うか〜。)

これが事件の始まりだった。

お財布から20ユーロ札と5ユーロ札を出し、自動販売機に投入、、、、したまでは 良かった。
25ユーロのプリペイドカードのボタンを選択!、押した!

管理人kr(、、、、、、?????)

自販機、、、、、うんともすんとも云わない、、、、、。
もう一度ボタンを押した!!!

管理人kr(、、、、、、??????)

自販機、やっぱしうんともすんとも云わない、、、、!

管理人kr(ど、どうなってるの〜????)

小パニックになる私。
ボタンを何度も押しても出て来ないので、返金ボタンを探すと、こんな注意書きが、、、。

[一度入れたお金は返金されません。]

管理人kr(あ、ありえな〜〜〜〜い!!!)

益々パニックになる私、、、、。
ボタンを何度も押しても、自販機を叩いても、やはりカードは出て来ないし、お金も 戻って来ない、、、、。

ツッコミさん[と、云うか、返金ボタンは存在しませんよ、この自販機。]

もう、半泣きですよ、、、、。
Jちゃんは駅を出て直ぐのところで待っているはずだが、ここを今私が離れるわけには いかないので、
携帯メールで緊急事態を知らせると、Jちゃんは直ぐに来てくれた。

私は事態をJちゃんに説明すると、Jちゃんもボタンを押したり、自販機を叩いて みたりしたが、何の反応もない、、、、。

ツッコミさん[怪しいアジア人2人が自販機を叩いてますよ、、、、。]

でも、そんなこと気にしている場合ではない。

更にJちゃんは自販機に書かれてあった管理会社に電話をしてくれたが、繋がらなかった、、、、。

管理人kr「この会社、本当に存在するのかなぁ、、、、、、。」

すると、面倒見の良いJちゃんは近くにいた駅員さんを連れて来て事態を説明して くれた。
しかし駅員のおっさんは、

「ここは私の管轄じゃないから分からないね〜。┓(´_`)┏ 」

と、もの凄〜〜〜〜く他人事のような表情で云った。
今ここに紙と鉛筆があるなら、この駅員のおっさんのその時の表情を描くことは、朝飯前といった感じだ。

管理人kr(ちょっと!!!!外人が困っている だからあんた、助けてやろうとか思わないわけ〜〜〜〜!!!!!?)

おっさんは無情にも行ってしまった、、、、。

仕方なく、私は管理会社の住所と電話番号をメモし、その場にいても埒があかないので、退散 することとした。

Jちゃん「外国の自販機はよくこういうことがあるから、これからは売店で買った方がいいよ。」

その後、他の友人が、
「そういう時は事態が発生した詳しい日時と場所をメモしておいた方がいいよ。」
とアドバイスしてくれ、私は直ぐに従った。

後日、私は自販の管理会社に電話をしてみたが、留守電になっていたので、メッセージを 残すことにした。
今後、相手から電話がかかって来たりして、詳しい話合いになると困るので、
ドイツ語ではなく、英語で話すことにしたのだが、これが間違いだった、、、。

以前、在独の方が制作しているHPで私と似たような経験をなさった方がいて、
相手の対応が悪く、返金して貰えるまで時間が掛かった、
という内容の話を読んでいたので、ここで相手に舐められてはいけない!と息巻いて、

管理人kr「○月△日、××駅構内で 25ユーロのプリペイドカードを買おうと25ユーロを入れたが、 カードは出て来ないし、返金もされない。直ぐに私の電話に返事を下さい。もし直ぐに返金されない場合は 警察に連絡します。」

と、半ば脅しのようなメッセージを残し、電話を切った。

管理人kr(へへ!云ってやったど〜!!!)

1人満足する私。

ツッコミさん[おやおやkrさん、何か忘れてはいやしませんかぁ?]

管理人kr(、、、、あ!!自分の電話番号云うの忘れた〜!!! )

私は少々興奮状態で電話をしたので、警察、と云い切ったらそのままの勢いで電話を 切ってしまったのだ。

ツッコミさん[警察も何も、あんたの電話番号を云わなかったら相手は返事も出来ないじゃんよ!このオタンチン。]

管理人kr(あぁ、、、また電話しなきゃ、、、。)

次は冷静になって、先程と同様の内容のことを再び英語で留守電に残し、最後に自分の電話番号を 云った。が、、、、。

管理人kr(あ、あれ?今私番号をドイツ語で 云ってる、、、、?)

ドイツに来てから、英語を使う機会がメッキリ減り、
毎日ドイツ語の生活をしていたので、英語の簡単な単語がパッと出てこないのだ。
そう、既に私の左脳はドイツ語に汚染されていたのだ。

管理人kr(嗚呼!何だかもう滅茶苦茶だよ〜〜〜。)

結局、番号を云い切ることなく、中途半端で電話を切る私、、、、、。

管理人kr(きっとこの怪しい外人の必死の叫びを聞いた人 は笑うんだろうよ、、、、。)

その日はもう恥かしさで電話する気分にならなかった。

後日、事前に頭の中で云いたいことと電話番号を練習し、
改めて電話をするとまたもや留守電だったので、
前回同様のことを英語で云って、電話番号はドイツ語で ゆっくり云うことにした。

管理人kr(きっとこの怪しい外人の しつこい電話に相手は今日の話のネタにするんだろうよ、、、、。)

数日後、朝寝ていると電話の音で目が覚めた。
出ると、なんと自販機の管理会社の女性職員からだった。
女性は私が外人ということを既に察知していたようで、

ツッコミさん[そりゃあ、あんな変な メッセージを数回に渡り残したくらいだから当たり前]

英語で対応した。
女性は、事が起こった日時と場所を聞き、後日25ユーロ分のカードを郵送する、と 云い、私は住所と連絡先を彼女に伝えた。

管理人kr(嗚呼、これで一件落着だよ〜。)

すると、数日後、管理会社から白い封筒が届いた。
管理人kr(お、もう届いたのか。早いなぁ〜。やっぱ“警察”って 最初に云ったのが効いたのかな。)

封筒と開けると、そこには便箋1枚しか入っていなかった。
よく内容を読むと、事が起きた日時と場所をもう一度連絡して欲しい 、とのことだった。

管理人kr(おい!こら!この間電話で 云ったじゃんよ!!!)

しかも、私の名前のスペル違っているし、、、、。

管理人kr(も、もしやこれが以前HPで読んだ、ドイツ人の常套手段である職務怠慢、対応の悪さなのか、、、? )

その管理会社の住所を地図で調べると、私の家から徒歩で行ける範囲内にある、という ことが分かり、
手紙に詳しい日時と場所、20ユーロと5ユーロ紙幣を投入した旨と、 連絡先を書いて、
直接会社のあるアパートまで行き、ポストに投函した。

そして、数日後、管理会社から再び手紙が届くと、今度は25ユーロ分のプリペイドカードと
1ユーロ分のバナナカード(国際電話も掛けられるテレフォンカード)が同封されていた。

思ったより迅速、丁寧な対応をしてくれて、かえって“警察”なんて大事云わなかった方が 良かったかな〜、
とも思ったが、何より精神的に疲れる事件だった、、、、。

教訓:
-外国の自販は信用するな-




プレゼント。

【主な登場人物】
管理人kr(kr:当サイトの管理人)/ ツッコミさん(ツッコミさん:謎の鳥)


10月某日、私のもとに郵便局からのお知らせが届いた。
どうやら、日本からの荷物を預かっているらしい。

以前にも自宅で受け取れずに、わざわざ中央郵便局までトラムで取りに行って、
堂々と日本語で書かれたダンボールに周りの視線を感じつつも、 せっせと自宅まで持ち帰った過去がある。

ツッコミさん[確か、“麺”って書いてあったよね。]

今回もまた、留守中に届いたのかぁ、とお知らせの手紙を読むと、
何やら荷物は郵便局ではなく、“税関”が預かっているらしい。

管理人kr「な、なぜゆえに税関!?もしや、 何か持ち込んではいけない物でも入っていたのだろうか、、、?」

一抹の不安を感じつつ、私は翌日に税関に向かった。

税関の建物は、どこか古い日本の学校のようで、
荷物受け渡し所の前の待合室は保健室のような雰囲気だった。
私は受け渡し所の中から誰かが出て来るのを待ちながら、
一体何を荷物に入れやがったんだ、、、と少々緊張していた。

暫くして、中から男性職員が出て来て、「入ってもいいよ〜。」と云うので、中に入り、
奥にいた女性に郵便局からのお知らせの用紙を渡した。
すると女性は用紙を確認して、荷物を持って来てくれた。

よ〜く、ダンボールに貼られたSAL便の宛先の用紙を見ると、
内容物の欄には日本語でしか記載されていなかったのである。

管理人kr(こ、これが原因だったのか、、、。 ちゃんと用紙に書かなければいけない事項はメールで知らせたのに!)

まあ、とにかく危険な物が入っているわけでもないので、安心した。
すると女性が質問をして来た。

女性「さあ、この中には何が入っているのかしら?」
管理人kr「え〜、食品やら、本やらです。」
女性「贈り物?」
管理人kr(へ!?贈り物?って云うか、ただの 荷物だしなぁ〜。)
管理人kr「えっと〜、母が送ってくれたんですけど、、、。」
女性「それを“贈り物”というのよ。」
管理人kr「へ!!?そうなの!?」

いまいち日本語に訳して会話を再現すると分かり辛いので、ドイツ語を説明しますと、、、。

まず、女性が「贈り物?」と云ったのはドイツ語で、「Geschenk(ゲシェンク)」、
英訳すると、「Present」です。
つまり、私は「Geschenk=誕生日などの特別な日のプレゼント」と思い込んでいたので、
「母が送ってきた物です。」と返答したのです。
どうやらこの「Geschenk」は特別な贈り物という意味と、
ただの郵便物としての 贈り物という意味があったらしい、、、。

管理人kr(嗚呼、恥かしい!でも外人だから許してっ!)

私は少々顔を赤らめつつ、無事に荷物を受け取って、
またもや日本語で書かれたダンボールを抱えて、
最寄の駅まで数百メートルの橋を渡り、Sバーンに乗り、地下鉄に乗り換え、
自宅までヒーヒー云いながら運んだのであった、、、。

井の中の蛙:
 -見識が狭いこと-