車椅子とベビーカーと電車
ミュンヘンの街を歩いていると、車椅子に乗った方や、
ベビーカーに子供を乗せて散歩、買い物をしている夫婦をよく見掛けます。
それは、人の手を借りなくても、自由に交通機関を利用出来るからです。
殆どのU-Bahnウーバーン(地下鉄)、S-Bahnエスバーンの駅は地下にありますが、
必ず、エレベーターが設置されているのです。
これで日本のようにわざわざ駅員さんを呼んで運んでもらわなくてもいいわけです。
バスの場合は、出入り口のドアが広いため、
わざわざベビーカーをたたまなくても乗れますし、
車種によっては出入り口付近にベビーカー、車椅子専用の空きスペースがあります。
ドイツの人は、身体障害者の方を”特別”扱いせず、
自分と同じように受け入れているし、車椅子の方が電車を利用する時は自然とスペースを空けてくれ、
時には乗車するのを手伝ってあげたりもします。
ベビーカーも同じで、母親、両親がベビーカーで子供を連れて歩くのは当然で、
自由に電車に乗せています。
私は日本で時々車椅子の方が駅員さんを呼んで、
階段横に設置された車椅子用のエレベーターのような物で運んでもらっている様子を目にしますが、
あれって必ず駅員さんに動かしてもらわなければならないし、
動きも遅いから結局時間も掛かるし、混雑する時間帯には利用者は気を遣ってしまうのではないでしょうか?
そして、ベビーカーの場合、周りの乗客に迷惑だ、と言う点で、
電車を利用するのを避ける方や、ベビーカーを折りたたんだり、
もしくは初めからベビーカーを使わないで、子供を抱いている方もいるのでは
ないでしょうか?
でも、ドイツでは、そんな光景は当たり前で、ごく自然に受け入れていますし、
近くの人が子供を見て、「あら可愛いわね〜。」なんてあやしている光景もよく見ます。
ドイツでは、日本同様少子化が問題になっているそうですが、「本当か?」
と思うくらい、ベビーカーを連れた人の姿を頻繁に目にします。
国、行政がこういった問題を受け入れ、対処することによって、
車椅子の方も、ベビーカーも自然と国民に受け入れられ、もっと行動範囲も広がるし、
快適に生活が出来るのではないでしょうか?
日本でももっと、こういった取り組みに力を入れて欲しいなあ、と思うのでした。
05.27.2004
犬と街
ミュンヘンの街中を歩いていると、犬を連れた多くの人を見掛けます。
専門の訓練所で飼い主と共に躾の訓練を受けた犬は、盲導犬、訓練犬等問わず、
あらゆる交通機関も利用出きるし、一部のデパートやレストラン、お店にも入れます。
飼い主の中には、犬に紐を付けないで連れて歩いている人も多くいますが、
躾をされているせいか、ご主人の後をしっかりついて歩いているし、
人を襲ったり、拾い食いをしたり、といった事はありません。
こういった光景はごく日常、当たり前で、街を歩いている犬を怖がる人は見掛けません。
市内にはイギリス庭園をはじめ、多くの広大な広場があり、
無条件で放し飼いに出来るので、庭のないマンション暮らしの人でも、
気軽に犬を飼えるのではないでしょうか?
ミュンヘンは犬にとってとても住み易い、いい環境に思えます。
06.07.2004
日本のアニメ
今や、日本のアニメは世界中で一番知られた文化だと言えると思いますが、
ドイツでも日本のアニメは人気のようです。
本屋さんの一画には「manga」と描かれた日本の漫画コーナーがあり、
沢山の人が立ち読みをしています。
ミュンヘンの一番規模の大きな本屋さんは「Högendubel」というお店で、
マリエンプラッツとカールスプラッツ等にありますが、
ここは各フロアーに赤いソファーが置いてあり、そこで自由に店内の本を読むことが出来るのです。
売られている主な漫画は、「名探偵コナン」、「ONE PIECE」、「ドラゴンボール」、
「バガボンド」等の少年漫画や、コスプレとかマニアの人がしていそうな少女漫画がありました。
勿論台詞はドイツ語に訳されていて、一番後ろのページには、
ご丁寧に漫画の読み順まで説明されていて、何故か読者のイラストまであります。
私は自分の土産に「コナン」と「バガボンド」を買いましたが、
やはり、日本語独特の表現があると、余白に説明が書かれています。
(とくに「バガボンド」は)
漫画だけではなく、テレビ放送もありました。
私が見たのは、「アルプスの少女ハイジ」、「クレヨンしんちゃん」
(しんちゃんの声優の声は、普通〜、の少年の声でがっくししました。)、
「名探偵コナン」、「ONE PIECE」、あと、コカコーラの「Qoo」のCMもありました。
(「Qoo」はドイツでも売られています。)
余談ですが、ドイツ語ではハイジは「ハイディー」と発音します。
2003年には、「千と千尋の神隠し」も上映されていました。
ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞しましたが、私が観た時は数人しか居ませんでした、、、。
普段、日本とドイツの国際的な文化交流は殆どないと思いますが、
日本のアニメがアメリカやアジアだけでなく、
ドイツにも受け入れられていることは嬉しいことです。
09.15.2004
謝らないドイツ人?
国や文化、生活習慣が異なれば、考え方も違うもの、でしょう。
ドイツ滞在中、こんな話を聞きました。
(参照:ドイツ語コーヒーブレイクNo.40)
ある日本人が車による衝突事故に巻き込まれ、死亡してしまったのですが、
彼が発した「すみません。」という一言によって、加害者であるドイツ人が一転、無罪になってしまったのです。
日本人は「周囲の人に迷惑を掛けた。」という意味で謝罪したのを、
「事故は自分に非があった。」と誤解されてしまったようです。
ドイツでは、「自分に非があっても、直ぐには謝罪するな。」と教育されている、
と耳にしましたが、それは「非を認めれば、責任問題、賠償問題に発展し、不利になる。」から
です。
勿論、道などですれ違って肩がぶつかったりすれば「すみません。」と云いますが、
それ以外では滅多に「すみません。」と云いません。
非を認めないけど、とりあえず誤る時は「すみません。」ではなく、
「Tut mir Leid!(ごめんね!)」を使います。
この「Tut mir Leid」には、あまり反省、謝罪の気持ちは含まれていないそうです。
私も滞在中、「すみません。」という言葉を巡って、とても悔しい、
辛い経験をしたのですが、あるドイツ人に私の所持品を捨てられてしまい(故意ではなかったようですが)、
「大事な物だったの!」と云っても、「だって、要らないと思ったのよ。
他の人はよくゴミを机の上に置いていたから。」
なんて、言い訳を述べるばかりで、結局謝ってくれませんでした。
他のドイツ人は、大事な約束を破ったのに、こちらも言い訳するばかりで
(それも嘘でしたが)、最後に「Tut mir Leid(ごめんね)」と云って終わり。
郷に行けば郷に従え、ではありませんが、私はドイツ人のこの考え、
習慣には納得出来ないし、やはり、悪い事をしたら謝罪するのが礼儀で、
それによって人間関係も修復されたりするのでは?
と思いますが、やっぱりこれは日本人的考えなんでしょうか、、、。
こんな習慣で、人間関係がこじれたりすることはないんでしょうか?ドイツ人!
10.06.2004
スマトラ島沖地震におけるドイツ人犠牲者多い理由は?
ドイツ政府は、2004年に発生したスマトラ島沖地震による津波の復興に、
5億ユーロの支援金を送ることを決定し、F1レーサーのミヒャエル・シューマッハーは、
1,000ドル(7,480千万ユーロ)を寄付することを発表しました。
尚、今回の津波で被害にあった外国人の被害者数はドイツ人が最も多く、
今日までに発見された身元が判明した遺体は60に上り、最終的には1,000人以上になると予想されています。
今回の津波によるドイツ人の犠牲者数が多い理由は、
ドイツ人にとってタイは最も人気のあるリゾート地であるからと思われます。
中には会社を半年間休んでタイで休暇を過ごす人もいるそうです。
丁度、ハワイが日本人に人気のある身近なリゾート地であるのと同じだと思います。
そのためか、タイにはドイツ人男性を対象とした結婚斡旋業者が存在し、
タイを訪れて結婚女性を探すドイツ人男性も多くいます。
実際、私がドイツで知り合った友人にも、
年配のドイツ人と結婚した若いタイ人女性がいました。
彼女は「夫は私に一目ぼれしたけれど、私は彼がお金を持っているから結婚した。」と云っていました。
また、タイで結婚相手を探すドイツ人男性に密着したテレビ番組を観たことがありますが、
その中ドイツ人男性は、
「アジアの女性はとても働き者で相手につくす。」と答えていましたが、
こういった一連の理由が、今回のドイツ人の犠牲者が最も多かったことに繋がるのでは、と思います。
01.05.2005