挨拶は現地の言葉で

私のドイツ語の中で一番好きな言葉は、
「GrüssGott(グリュース ゴット) こんにちは」です。

これは私が住んでいたドイツ南部、バイエルン地方の方言で、
(お隣のオーストリアでも使われています。)
標準語は「Halloハロー」もしくは「GutenTagグーテン ターク」です。

滞在中、GutenTagグーテンタークは殆ど聞いたことも使ったこともありませんでした。

そして、ドイツ滞在中、一番使った言葉も、
「GrüssGott(グリュース ゴット) こんにちは」です。

海外で生活をしたり、旅をして、
「ああ、これは日本にはない、いい習慣だな」と思ったことは、
スーパーやデパート、レストラン、いろいろなお店で必ず店員さんに「こんにちは」と云うことです。

店員さん側からしてみれば、
日本語の「いらっしゃいませ」の感覚かもしれませんが、
店員さんに挨拶されれば、お客さんも皆挨拶をかえします。

しかし、日本で店員さんが「いらっしゃいませ」と云って、
お客さんは何かリアクションをかえすでしょうか?

私は高校生の時、スーパーでアルバイトをしていましたが、
こちらが「いらっしゃいませ」と云って、何か言葉をかえしてくれた人がいたことは殆どありませんでした。

中には最後におつりを渡す時、
「有難う」や「すみません」と云ってくれる方もいましたが、殆どは無言です。

日本では、あくまで店員はサービスを提供する側なので、
むしろ感謝の態度を表さなければならないのですが、
それでも、やはりお客さんに何か一言声を掛けて貰うと、凄く嬉しいです。
「あ、この人いい人!」、「レジ袋もう一枚おまけしようか(笑)」と思います。

これらのスーパーでの経験や、海外生活、旅での体験があるからこそ、
私は今でも必ずレジの方には「お願いします」や「有難うございます」など、
店員さんに何か一言声を掛けるようにしています。

挨拶は、人と人とが繋がっていく第一手段だと思います。

生まれて初めて出会う人、その日初めて会う友達、
「こんにちは」はどんな時も開口一番に使われる、とても素敵な魔法の言葉です。

笑顔でハキハキ云えば、(この人は明朗な人なんだな)と感じるし、
力のこもらない、元気のない時は、(疲れているのかな)などと感じます。

まさに、開口一番の「こんにちは」で人となりが分かるのです。

そんな素敵な言葉を、旅でも沢山使ってみませんか?
言葉が、旅での素敵な出会いや思い出を作ってくれるかもしれません。

現地の言葉を使えば尚更です。

私は今まで英語、ドイツ語圏以外に、フランス、
イタリア、タイ、韓国に行きましたが、毎回必ず、
「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」は現地の言葉を使いました。

言葉は、その国が持つ何百年、何千年の長い時の間で作られ、
使われてきた、最も重要な文化、歴史だと思います。
そして、その国が好きで、もしくは興味があって旅する以上、
挨拶は現地の言葉を使い、文化、歴史に敬意を表するのが旅人としての最低限のマナーだと思います。

例え、外国語を話せなくても、 「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」
たった3言で十分相手と繋がることが出来るのです。

教訓:「コミュニケーションの第一歩は挨拶から」

たった一言の挨拶が、国境を越えるのです。



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